05不動産情報館日記

2017年8月21日 (月)

悪徳不動産屋日記 売却価格査定

 一昨日、売却物件をあずかる予定であった。

 「予定であった」と、過去形になっているのは、その日には売却が保留になったからだ。

 先日、紹介者を通じて売却の相談があった。

 売却の相談者は、ご主人と二人で店を切り盛りしていたのだが、昨年ご主人が亡くなられて、この後は奥さんだけで商売を続けている。

 食品製造販売業で、製造から販売まで一人だけ。

 おそらく年齢は、(今日、年齢までは聞かなかったので推定で間違っていたら申しわけないが)70代の後半。

 アレルギー体質の体をおして、なんとか営業を続けてきたが、このところ体に不安がでてきた。
 
 年齢のこともあって、東京にいる子供さんから、東京で一緒に住もうと言われているということだった。

 紹介者に概略の話を聞き、一昨日、紹介者が依頼者宅へ同行してくれて話を聞くことになった。

 ありがたい話で、初回の訪問時に紹介者に同席してもらえると、私の話を安心して聞いもらえる。

 なにせ、昔は不動産屋というと「悪徳」という冠がつきがちな職業だった。

 紹介者から「この男なら、すべてませかせも安心だから、紹介します」などと言ってもらえると、仕事がやりやすい。

 こんな紹介をいただくと、それに恥じないような仕事をしなければならない。

 それで、日頃のんびりしている、よだきんぼ(宮崎弁で、なまけもの)不動産屋なのであるが、紹介者の信頼を裏切るわけにはいけない。

 直ちに登記事項証明書(登記簿謄本)、公図を取って物件の概要と権利関係の調査をした。

 そして、物件の下見に行った。

 最初の思惑では、売却価格の査定書を策定して、査定価格を元に売却価格を決めようと思っていたが、今回はあえて価格の査定はしなかった。

 物件を下見に行った際、私が査定する売却可能価格と、売主さんの売却希望価格に大きな開きがでるだろうという直感がひらめいたからだ。

 私は、不動産を売却するにあたって、最初の売り出し価格の設定が一番大事だと思っている。

 売主は、1円でも高く売りたいから、売却希望価格は売却可能な価格より高くなる傾向がある。

 不動産屋は、売主さんのそんな気持ちを重々承知している。

 真剣に価格を査定するとなると、近隣の取引事例を調べたり、取引事例物件との比較をして価格を決めていくことになり、時間も手間もかかる。

 売主さんとしては、少しでも高く売ってもらおうと思って、複数の不動産屋に相談をかけることも多々ある。

 そんなとき、査定価格の高い不動産屋をありがたがって、一番高く査定をした不動産屋に売却を依頼するという結果になる。

 しかし、査定した価格がいくら高くても、その価格は不動産屋が買い取るための価格ではない。
 
 買うのは一般のお客さん。

 買主は、1円でも安く買いたいと思っている。

 商売上手な不動産屋は、「矛盾」のいわれとおりのことをやっている。

 売主に対しては、「私は、他の誰よりも高く売ってあげます」と言い、買主には、「私にまかせてもらえれば、お買い得な掘り出し物をみつけてあげますよ」と言う。

 私が、最初の売り出し価格が大事だというのは、売り出し価格が買手が思う価格より極端に高すぎると、商談がまったくかからないのだ。

 商圏の広い大都市でのことはわからないが、当地(宮崎県の北端の街・延岡市)のような小さな地方都市では、売買事例を熟知しているお客さんが多い。

 取り引き事例(相場)とかけはなれた価格で売りに出すと商談すらかからないことになってしまう。

 私は、商談がかかる範囲で高めといった価格設定をすることが大事だと思っている。

 今回の依頼の物件は、住居兼店舗。売主の思惑では、商売をするには最高の立地と思っているはずだ。

 しかし、不動産取り引きの現状は、旧市街地の商業地の取り引きが低迷しているのだ。
 不動産業界全体としては、住宅地も値下がりしているが、住宅地は堅調に推移している。

 昔、一世を風靡した商売人さんは、昔の夢を引きずっている。

 自分の土地を一等地だという思いが大きい。

 はたして、今回のお客さんは、私の想像通りの結果だった。

 今回私は、自分が想定する価格は提示しないで、「街中の商業物件は非常に価格がつけにくいので、まずお客さんの売却希望価格をお伺いしますね」と切り出した。

 こんな質問をすると、いつものことではあるが、「わからない」という答えがかえってくる。

 いくらで売りたいのかと聞いているのだから、「わからない」という答えは無いはずなのだが、ほぼ全員が「わからない」と答える。

 それで、「では、いくらで売れたらいいなーという金額はどのくらいですか」とたずねる。

 それでも答えは出ない。

 これもいつものこと。

 次に、「売主さんは、みなさん、なんぼでも高く売れた方がいいと思っておられるから、自分の欲で、これくらいで売れないかなという数字でいいんですよ。どのくらいで売れたらいいなとおもってらっしゃいますか?」とたずねてみる。

 それでも明確な数字は出さない。

 「高けりゃ、高いだけいいけどね・・・」と笑いながら答える。

 そこで私は、「売主さんは、ほとんど全員、私たちが売れるだろうなと思う価格より高い価格で売れないかなと思っているんですよ」

 「それは当然のことですが、私たちは買主さんが思う価格を承知しているから、それとかけ離れた高い価格では売れないことを説明して、売主さんに売却可能な価格を説明していくことになります。」

 「通常は、そんな話をするのですが、今回は直感的に、お客さんの希望価格が実態の売却可能な価格とかけ離れていると思いますので、まずはお客さんの希望価格で動いてみよようと思っているんですよ」と説明をして、最近近くで売れた売買事例を提示した。

 土地面積、建物の構造等、ともに類似した物件だった。

 すると、私が思っていた通り、「そんな価格じゃ売れない」という言葉を発せられた。
 私の想定通り、現在の相場からすると5~6割高い価格を想定しておられたようだ。

 今後の生活に必用だという金額を計算されていて、なんとかその価格で売りたいということを言っておられた。

 やってみないとわからないが、おそらく近隣の取り引き事例以上の価格での売却は難しいと思いますよと説明した。

 安易に売主さんの話を肯定しても、絶対に実現することは無い。

 早く現実を伝えることが、今後の人生設計にとって大事なことだという、変な責任を感じてしまう。

「耳障りの悪い話になりますが、現実をお知らせすることが、お客様にとって大事なことだと思いますので」と、私なりの意見をお伝えした。

 結果は、「息子と相談してから」ということになった。

 つらい仕事になった。

2017年6月20日 (火)

うれしい悲鳴

 一昨日の日曜日に開催したオープンハウス。

 想定どおりの大盛況。

 調子が狂ったのは、前日に広告を見て現地から電話してきたお客さんがいたこと。

 外回りをみて気に入った様子で、明日のオープンハウスには午後1時くらいにしかいけないのだけど、契約は申込み順になるのかと聞かれた。

 「気に入っているので人に先をこされるのが口惜しい」というような感じに聞こえた(これは私の勝手な思い)。

 それで、「単なる申込みだけで契約を決めることはありませんよ。いい物件だから、気に入るお客さんが何人か出ると思うので、価格交渉のない方で、確実に買っていただけて、融資の目処が立つひとに決めることになると思います。」と答えた。

 そして当日。

 広告では10時オープンとしていたのだが、9時半にはお客さんが来場。

 ほぼ準備は済んでいたが、物件回りに立てる旗を立てているときだった。

 「どうぞ事由に見ていてください」と声をかけて、残りの旗を立てていたら2組目のお客さんが来場。

 それからは、ほとんど途切れることなくお客さんが来場。

 即決で決めたい感じのお客さんもいたのだが、昨日の電話のお客さんとの約束もあるから、「今日は即決はいたしません。買っていただく意志のあるお客様で資金計画が確実な方に決めたいと思いますう」というスタンスで応対していた。

 それと、会場客が2組以上重なってしまう状態で、しかもみなさん好感触だったので、融資が確実な方に決めようと思ってしまったのだ。

 日曜日の夕方から、アンケート用紙による来場客の整理をして、昨日、今日と話をつめているところ。

 重ねて、昨日も今日も問い合わせが相次いでいる。

 ということで、ブログに書きたいこともあるが、それどころではない、嬉しい忙しさに悲鳴を上げている。

 それにつけても、小池都知事の無責任。

 豊洲に移転するが、築地も残すかのような結論。

 都知事就任依頼、都議会選挙をにらんでの行動だったが、結局、豊洲移転派にも築地残留派にも気をつかった結論。

 この10カ月は何だったのか。

 人が言う通り、「都民ファーストではなく、自分ファースト」。

 世界中、大衆をだますのが上手い奴らが選ばれる。

 選ぶ選挙民も悪いのだけど、国民のため大衆のため国家のために命をかける政治かは現れないのだろうか。

 「それにつけても、おやつはカール」はなくなったけど、今の私は、「それにつけても、まずはオープンハウス物件の契約」なんだよな。

2017年6月17日 (土)

明日はオープンハウス(売家公開)          ひさーーーしぶりに仕事した。

 明日は、ひさーーーしぶりのオープンハウス(売家公開)。

 すごく魅力的な物件なので、オープンハウスで公開販売会をひらくことにした。

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 まず場所がいい。人気の富美山町。

 接道は南6メートル、東6メートルの角地。

 土地面積は約75坪。理想的に程よい広さだ。

 家の程度が良い。

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 上の写真はリビングダイニングキッチン。16畳。

 作り付けのカウンター付の食器棚が流しとの間仕切りになっている。

 両方から物が取れて便利です。




 新築年度は昭和62年だが、こまめなリフォームを施している。

 平成11年に別棟を増築。

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 これが、おすすめ。

 別棟1Fはガレージ、作業場。

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  男心をくすぐる。

  バイクや自転車、アウトドアのギアの収納庫として使っても良い。

 この別棟を増築するとき、本宅の外装の塗り替えもしている。

 だから本宅の外装がきれいなのだ。

 3年前にLDKのフローリングを張り替えをしている。

 5年前に浴槽を取り替えている。

 玄関回りのフローリングは今年やり替えたばかり。

 建てたあとは、なにもしないでそのままという中古住宅が多いけど、こんなぐあいに手入れをしてきていると、家はきれいに長持ちする。



  人気の場所で探している人は多いから、すぐに売れるはず。

 そう思ったから、売却依頼を受けると同時にオープンハウスを企画した。

 ひさーーーーしぶりのことで、今日一日ずっと、明日の準備に時間を費やした。

 今夕の、当地(宮崎県の北端の街・延岡市)限定地元夕刊紙「夕刊デイリー新聞」に広告を掲載。

 まだ、当社へ「夕刊デイリー」が配達される前に、広告を見ての問い合わせの電話が2本。

 さらに、その後、問い合わせの電話が3本。

 一人の方は、広告の地図を参考にして現地を見てきたとのこと。

 非常に興味があるが、「明日の展示会には午後1時くらいでないといけないのだけど、契約は申込み順になるんですか?」とうれしい質問。

 さらに「家を探すにあたっては、銀行の融資枠はとりつけている」との、うれしい申し出。

 ほかの問い合わせの方も、みなさん非常に興味をもっておられる感じ。

 ほんとに、ほんとに、ひさーーーーーしぶりのオープンハウスで、今日の準備が大変だったけど、なんだか楽しみな明日のオープンハウスである。

 お問い合わせいただいたお客様。よろしくお願いします。

 まだお問い合わせをしていないお客様も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

2017年5月26日 (金)

改正民法成立

 籠池さんやら、加計さんやらで騒いでいる内に、改正民法が成立したというニュースが飛び込んできた。

 テレビ報道では、安倍総理と籠池さんや加計との関係ばかりがとりあげられていて、改正民法がちゃんと審議されているとは知らなかった。

 民法は、私人間の関係を規定した私法の最も基本となる法律だ。

 明治29年に制定されて以来、ほとんど手が加えられていなかったのだが、今回120年ぶりの大改正が行われている。

 改正点は、お金の貸し借りや物の売買といった「債権」といわれる部門だ。

 改正案は2年前に国会提出されていた。

 契約についての規定が変わるとあって、民法改正にどう対応したらいいのか、多くの雑誌で特集が組まれていた。

 改正案では敷金についての規定が新設されるということもあり、不動産業界でも、敷金にたいする対応をどうしたらいいのか大きな関心を集めていた。

 本来なら昨年成立をよていしていたのだが、なんだかんだと政治家の事情で延び延びになっていた。

 それが、今のような大騒動の中で可決にいたる審議をされていたとはびっくりである。

 テレビ的には、籠池さんの問題や、加計学院の問題や、政治家の失言を取り上げていた方が視聴率が稼げるから、そこに集中していた。

 そこに突如登場してきたのが前川喜平前文部科学省次官。

 昨日からテレビにでまくりで、加計学院の獣医学部新設にあたって、安倍総理の力がおよんでいたと思われるかのような発言をしている。

 しかし、限りなく黒に近い灰色と思える事実を突きつけても、閣僚や議院が大失言をしても、安倍政権の支持率は落ちない。

 それは、安倍さんが支持されているわけではなく、安倍政権に変わる受け皿が無いため、消去法で安倍支持につながっているだけなのだけど、支持率が落ちないということで安倍さんは、だれがどう批判しようと屁とも思っていない。

 それは、どうあがいてもしかたのないことだけど、そんな中でも官僚はしっかり法案を通していく。

 なんだかんだ言っても、日本の官僚はすばらしいわけで、そのすばらしい官僚の中で文部科学省の頂点にいた前川前次官の証言は、大きな意味を持っている。

 話をもどして、法務省のホームページに掲載されていた、民法の改正点を条文で読んでみた。

 147ページもあって、ざっとじゃ読めない。

 敷金について新設された条文だけはしっかり読んでみたけど、解説本を参考にしないと具体的にどう読み取ったらいいかのか確たる理解はできなかった。

 すぐに改正民法を特集した雑誌や解説本が出るだろうから、それを待つことにしよう。

 

 

 

 共謀法案は、よくわからないけど、なんとなく怖いことになりそうな気がするのだけど、

2017年5月22日 (月)

悪徳不動産屋日記 重なるときは重なるもの3 ドタキャン

 実は先週、かなりひどい事件に遭遇してていた。

 恥ずかしい話しではあるし、気持ちが萎えて、そのことを書く気力も失っていた。

 おまけに16日の朝、久々にぎっくり腰になってしまっ。

 寝起きに腰にピリッと痛みが走って、やばいと思ってすぐに腰痛ベルトを装着したのだが、痛みは増すばかり。

 それに追い打ちをかけるように、契約のドタキャン。

 土曜日に、急にまとまった商談が、キャンセルになった。

 代金を払う前に入居させてくれという話しで、それはできない話しなのだが、荷物だけでも入れさせてくれということだった。

 何度も断ったが、何度も頼まれて、万一約束を守らなくても売主に迷惑をかけないやり方を考えて、了解した。

 私の想定以上の裏切りがあったときは、売主様には私が全面的に損害賠償をするという覚悟の上のことだった。

 いろいろ事情を聞いて、情に負けて、なんとか希望を叶えてあげようと思ってのことだった。

 過去に何度も経験したことだが、情に負けて原則を曲げると、結局自分が窮地に陥ることが多い。

 今回の話しもそうだった。

 土曜に買うと言って、日曜日に身の回りの荷物を運び込んで、月曜日に代金を支払うことになっていたのだが、月曜日の支払いはなく、火曜日に全額支払うと言ってきた。

 そして、火曜日にはキャンセルしたいと言ってきた。

 不幸中の幸いは、荷物を月曜日に撤去していて、売主さんには致命的な迷惑をかけずにすんだこと。

 私はといえば、土曜日から火曜日までの4日間、このお客さんに完全に振り回された。

 おまけに、この話しのせいではないのだが、水曜日の朝に久日振りにぎっくり腰になってしまった。

 もともと腰痛持ちで、気をつけていた。

 ここ数年、ひどいぎっくり腰とは無縁になっていたのだが、なんでもない動作で腰を痛めてしまった。

 立っていても座っていても腰が痛い。

 歩くと、誰が見ても腰を痛めているのがわかるような、みっともない歩き方になる。

 今日は、少し痛みが和らいで、打ちのめされていた気持ちから抜け出せたようだ。

 また悪徳不動産屋として生きていく気力がわいてきた。

 そもそも、悪徳不動産屋という言葉があるが、トラブルの多くは、善良なる面(つら)をした悪徳客が引き起こすことの方が多いのだ。

 その一つが「ドタキャン」。

 お客がキャンセルするときは、常にお客にはやむを得ない正当なる理由があるのだ。

 それを想定しては、お客さんの身勝手を許さないように手続きをするのが不動産屋の仕事。

 かくして、お客さんの身勝手を許さないと、悪徳不動産屋と呼ばれる場合がある。

 今回の話しの詳しい顛末は省略するが、本当に人間性の良い売主さんに救われた。

 

2017年5月12日 (金)

悪徳不動産屋日記 重なるときは重なるもの

 不思議だが、重なるときは重なるものである。

 先月は、2年近く空いたままになっていた店舗が2件成約になった。

 これが、まったく同時進行で、家賃もほぼ同額。

 2LDKの貸家と同じ程度の家賃なのだが、家主との間の交渉事は2000万円クラスの売買物件より手間がかかったのも、また同じ。

 今日は、店舗物件の案内依頼が入った。

 空いて半年以上になる物件で、結構条件がいいのだが、店舗物件にはあまり問い合わせが無い。

 今や、ホームページの威力は絶大で、当社のような小さな不動産屋の数少ない物件にも問い合わせがある。

 最近のお客さんの傾向は、ホームページで物件を確認して、あらかた気に入って、さらに内容を見たいときに連絡をして来られる。

 そして、そのまま現地集合での案内を希望される方が多い。

 本来なら、会社に来ていただいて、賃貸条件等の説明をして、お客さんの個人情報を確認した上で案内したいのだが、お客様の希望どおりに案内することにしている。

 当地(宮崎県の北端の街・延岡市)においては、他の地方都市同様、交通手段は車。

 一家に一台というより、一人に一台の世界。

 市内の主立った地域であれば、大体車で15分もあれば移動できるから、現地に直接行った方が手間がかからないといったところなのだ。

 今日の案内も、午後1時半という時間指定での案内になった。

 家賃は手頃で、5、6台駐車可能という物件だから、なかなか条件は良い。

 私も、不動産屋のはしくれだから延岡市内の不動産の状況は承知しているのだが、駐車場が3台以上ついている貸し店舗はあまりない。

 事務所的に使うのであれば優良物件であると思っている。

 約束の1時半にお客さんを案内。

 私はあれこれ説明するのは苦手。

 まずは、自由に見ていただくことにしている。

 広さと立地、家賃には大きな問題は無く、まあまあ気に入っている様子である。

 お客さんから、あれこれ条件的な問題について質問が出て、それに答えていた。

 そこに、私の携帯に他の不動産会社からの電話が入った。

 とりあえず用件を聞こう思って電話をとると、ちょうど今案内している物件についての問い合わせだった。

 問い合わせというより、その不動産会社も家主から賃貸の依頼を受けていて、そちらの会社で決まりそうなお客さんがいるので家主に連絡をしたところ、当社に連絡をして了解をとってくれと言われたとのことなのである。

 もともと当社と、もう1社別な会社(A社としておく)に依頼しているのは承知していたが、今日の会社(B社としておく)にも依頼しているとは知らされていなかった。

 当地では店舗物件は非常に動きが悪い。

 1年2年空いたままの物件はあたりまえ。

 下手すると5年10年空いたままという物件も珍しくはない。

 私は家主とは幼なじみというような関係だったから、手数料の問題を度外視してなんとか早く決めてあげたいと思って、力を入れていた。

 A社は当社と非常に仲のよい会社で、社員の方々も全員当社に好意的な会社であった。

 私の動きを知ってか知らずにか、この物件に関してA社は遠慮気味な営業をしていて、入居者募集のポスターも当社のポスターのみであった。

 そこにB社からの電話。

 なんと案内中の商談煮詰めの最中である。

 家主とは話しをして、家賃も多少安くしてもらって話しを進めているとのこと。

 今私も商談中だと答えたが、あっさりひきさがる雰囲気は感じられない。

 B社も中の良い会社なのだが、若い社員さんで、仕事熱心なあまり、あっさりは引き下がれないということだろう。

 案内中のお客さんを目の前にしての電話であったから、お客さんも話しの内容はわかったことだろう。

 私は電話を切ったあと、お客さんに「他の不動産会社が、自分の方に気に入っているお客さんがいて家主には了解を取っていると言っている。あなたが今すぐ借りるということなら、この不動産屋の商談を断ってもらうが、すぐに結論が出せないなら、この不動産屋のお客さんに話しを譲ってもいいですか?」と聞いた。

 ほんとうに不思議なもので、不動産の商談は重なるときは重なるもの。

 まったく話しがなかった物件なのに、一つ商談をしていると重複して商談がかかるということは良くある話しなのだ。

 それにしても今日の話しは極端な例である。

 案内しながらの商談中に他の業者と競合する商談が入ったわけだ。

 通常の不動産屋さんだったら、嘘をついてでも自分の商談を優先させるのであろうが、私は家主の利益を優先することにしている。

 競合した商談がある場合、どちから一方を優先して話しをしていて、優先していたお客がキャンセルになったとき、待たせていたお客も借りない・買わないということが多い。

 私は、買うかもしれないから私を優先してくれという話しは受け付けないことにしている。

 「間違いなく買う」「間違いなく借りる」という決定をもらうまでは、常に同時進行で商談をしていくことを原則にしている。

 買いたい(借りたい)から物件を抑えておいてくれと言って、何日間も話しをひっぱったあげく、いとも簡単にキャンセルしてくるお客さんというものを山ほど経験している。

 だから私の信条は、こちらから契約を急かすこともしないけれど、とり置きすることもいたしません。

 常に他の商談も同時進行していることを理解してください。

 その際、他の商談が入っても報告しないまま他との契約になることがあることも了解してもらうようにしている。

 不動産屋の手口として、契約を急がせるために他のお客さんでさんで売れかかっているいうやり方があって、それと勘違いされるのも業腹なのだ。

 これは私の師匠の教えでもあるのだが、私は「せかせることもしないが、お取りおきもしない」ということを原則としている。

 今日の話しは、普通の貸家並の家賃の賃貸物件。

 他の不動産会社を相手に取り合いするような話しではない。

 おそらくB社としても、今から案内するということなのだろうが、話しはわかりやすい方が良い。

 私は、目の前のお客さんに対して、「お客さんが間違いなく借りるという裏付け無しに家主に私の商談を優先してくれとい言えないので、他の不動産屋さんの商談が同時に入ります」と伝え、家主にもB社にもその旨伝えた。

 借りるかもしれないと思っているお客さんにとっては、私はお客さんの希望を無視する悪徳不動産屋と思えるようだ。

 しかし、不動産仲介という仕事は、利害が対立する売主(貸主)と買主(借主)の間を調整する仕事。

 どちらかのお客さんを一方的に味方すれば、他方のお客さんの利益を奪うことになるのだ。

 不動産屋を楽にやろうと思ったら、自分の利益を中心に仕事をすることだ。

 だけど悪徳不動産屋の私はそれができない。

 自分の正義の天秤にかけて、不公平になりすぎる話しは受け付けない。

 それがときとして、お客の意向をないがしろにすることになる。

 ときには、お客さんに説教をたれる。

 かくして私はまたしても悪徳不動産と呼ばれることになる。

 話しを本題の、今日の店舗の商談に戻そう。

 この店舗は、当社が仲介したお客さんが1年ちょっとで退去したので、責任を感じていた。

 退去して5カ月になるが、なんとか早く決めなくていけないと精神的にも圧力を感じていた。

 今回、B社が決めてくれればその重しがとれるし、もしB社の話しが決まらなくても、私の体にのしかかっていた重しはなくなる。

 万事めでたし、めでたしの話しであった。

 

2017年5月11日 (木)

悪徳不動産屋日記 いきなりの価格交渉は受け付けられない

 今日、当社のホームページを見て問い合わせの電話が入った。

 妙町(みょうちょう)という所にある380万円の中古住宅である。

 土地が80坪ちょっとあるが、建物は築後50年以上。

 380万円は、土地代相当の価格設定になっている。

 安いもので、問い合わせが多い。

 約1年間で10数組のお客さんを案内したが成約にはいたっていない。

 問い合わせが多いのは、ホームページに掲載している写真のせいなのだろう。

 なんの工夫も、加工もせずにとった写真なのだが、今流行りの古民家風に見えるのだ。

 当初、数組のお客さんを案内したが、みなさん、ホームページの写真に過大な期待を抱いて見に来られる。

 見た目は写真のとおりなのだが、やはり古い。

 テレビや雑誌では、古民家を改造した家を紹介はするが、新築した方が安く上がるくらいの改造費がかかっていることは余り報じない。

 ただし、この妙町の物件は、売り出す直前まで貸家にしていた物件で、借りていた人が退去したので売却することになった物件だ。

 だから、このまま住めないことも無いのだ。

 しかし、今から購入しようと思うお客さんは、このままで何年住めるか気になるところだろう。

 案内したお客さん全部が、ホームページを見て、売り切れては大変、今すぐにでも買いたいとばかりに、勇んで見に来られるが、物件を見て気持ちが収まると、どこが悪いという明確な理由もなく、むにゃむにゃと、なんともなしに話しが消えていくというパターンだった。

 そんなことの繰り返しだったもので、ホームページに問い合わせがあった際には、あらかじめ水をかけて熱を冷ますような話しをしてから案内するようにしていた。

 そんな物件に、また今日問い合わせが入った。

 ホームページの資料を参考に、いくつか質問を受け、それに答える。

 するといきなり、「(この物件は)どのくらい安くなると?(どのくらい安くなるの?)」ときた。

 きた、来た、である。

 買手のお客さんがよく発するセリフである。

 このセリフに対して私は、「いくらなら買うんですか?」と答えることが多い。

 ほとんどのお客さんが、「いや、買うというわけではないんだけど、安くなるのであれば、それから検討したいんだよ」というような話になる。

 しかし、私が物件を預る場合は、全勢力をかけて価格設定をする。

 安過ぎて、あとでうらまれるような価格では売らせたくはないし、かといって高過ぎて何年も売れない価格設定にしてもいけない。

 私は、売却価格設定が不動産売却の明暗を分けると思って、真剣に査定をすることにしている。

 売主さんは高く売ってあげると言うと喜ぶから、とりあえず売れないかもしれないけど高めの価格で売り出して、買い手が値切ってきたらそれに併せて値段を下げれば良いというやり方もある。

 しかし私は、それは不動産の専門家のやり方ではないと思っている。

 今回の話しの380万円の物件は、私の査定よりは少し高いが、私の査定価格を聞いた上での売主さんの希望価格である。

 380万円という売主さんの希望価格が、私が許せる許容範囲の価格であったから売却の依頼をお受けした。

 私は、私が想定する価格と大きくはずれた高額での売却を希望されたのであれば、依頼はお断りすることにしている。

 不動産の査定を大きくはずれるような価格で依頼を受けても、まず売れない。

 いかに努力しようとも、徒労に終わる。

 私は悪徳不動産屋。無駄働きはしたくない。

 私は、あらかじめ値引分を上乗せした営業もしない。

 だから、 「いくら安くなるんだ?」と聞かれても、答えようが無いのだ。

 今回はっきり断言できることは、売主さんは380万円で売りたいということ。

 私が買手のお客さんに思うのは、どのくらい安くなれば買いたいと思うのだろうということ。

 それで、しごく素直な気持ちで、「いくらになれば買いたいと思うのですか?」と聞くのだが、「いや、まだ、買いたいとまでは思わないんだよ。ただ、どのくらい安くなるのかなと思って・・・」というお客さんが、ほとんど(いまのところ全部)なのだ。

 そんなお客さんに対して私はさらに追い打ちをかける。

 「気に入らないものは、いくら安くなってもしかたがないでしょう?気に入って、このくらい安くなれば購入を検討したいという価格を言っていただければ、全力をあげて売主さんと交渉しますよ。」と。

 ましてや今回のお客さんは、現物を見ないままの価格交渉。

 見たとたんに気に入らないかもしれないのだから、電話で価格の話しをする意味がない。

 それで、今日のお客さんにはこう伝えた。「お客さん、まずは物件を見てください。見て気に入って、安くなれば買いたいということであれば、なんとか希望に添えるよう努力はいたしますよ。」と答えた。

 ただし、いつものことではあるが、それはあくまでも買い手のお客さんの希望する価格が私の常識の範囲内であった場合のこと。

 欲だけで、安ければいいとばかりに、常軌を逸するような価格交渉をしてきた場合は、にっこり笑ってお断りすることになるだろう。

 なにせ私は悪徳不動産屋なのだから。

 

 

 

 

 

 

2017年3月31日 (金)

悪徳不動産屋日記 血圧が上がる

 せっかく血圧が下がりつつあったのに、今日は、善良なる消費者のせいで血圧が上が上がった。

 善良なる消費者は、善良なるがゆえに自分本意で、悪徳不動産屋には厳しいが自分には大甘。

 もう、今日はすっかりあきれ果てて、思いのたけを書き綴ると止めどなくながくなってしまって、書く気力も失せた。

 ということで、今日も生きていたシルシだけ・・・・

2017年3月25日 (土)

悪徳不動産屋日記 間が悪いけど、感謝。

 今日は、取り急ぎの用件もなかったから、ためこんでいる書類を整理する予定にしていた。

 一日事務所に籠もって事務処理に専念するつもりでいた。

 ところが、例によって間が悪い。

 出社と同時に、管理しているアパートの入居者から電話。

 テレビが映らなくなったというのだ。

 すぐにかかりつけの電気工事屋さんに連絡したのだが、今日は動けないとのこと。

 とりあえず私が駆けつけるしかない。

 私はテレビが大好きだから、テレビが映らない腹立たしさはわかる。

 入居者の怒りをおさめるには、まずは駆けつけることが大事だ。

 このアパートは集合アンテナでブースター(増幅器)で電波を増幅して配信している。

 入居者の部屋に入って状況を確認する。

 テレビの画面に、テレビの信号が確認できませんと表示されている。

 ブースターを調べてみたら、ブースターに電源が来ていない。

 電気屋さんに電話して原因を聞いてみるが、現場を見ないと原因はわからないという。

 しかも、今日は終日手が放せないという。

 入居者には、今日一日はテレビが映らないのことを了解してもらうしかない。

 入居者全員に連絡しなくてはいけない、。

 そう思っていたとき、神が降りてきた。

 私は、本当に困ってしまうと神が降りてくることがある。

 突如ひらめき、ひらめきどおりに試してみたら、テレビが映るようになった。

 やれやれと、事務所にもどってきて、さて事務処理にかかろうと思って机に座った矢先、電話が入る。

 先日問い合わせがあっていたお客さんから、突然来訪の電話。

 あわてて契約書の準備。

 これに終らず、次々に電話問い合わせ、来訪客、契約締結と、商談、面談が6件。

 これが私の、総運はツキがあるが、変なところで間が悪いところ。

 はずかしながら当社は、普段一人のお客様も来ないことも珍しくないとういうのに、よりによって今日に限って、上手い具合に瞬時も休む間もなく、来訪者と、契約と、新たな商談の連続。

 かくして、またしても手抜きのブログになってしまった。

 間が悪いけど、それに感謝。 

 

 

 

2017年3月23日 (木)

悪徳不動産屋区日記 公示地価 住宅地も9年ぶりに上昇に転じる

 昨日の日経新聞の1面トップに、「公示地価、住宅地で9年ぶり上昇」の大きな見出し。

 朝日新聞の見出しは、ちょっと小振りだったが、やはり1面で「住宅地平均 下げ止まり」。

 2017年1月1日時点の公示地価で全国の住宅地が前年比0.002プラスと9年ぶりに上昇に転じたと報じていた。

 何度か書いたことだが、公示地価というのは、1物4価といわれる4つの土地の価格のひとつだ。

 1物4価といわれる土地の価格だが、その1番は、実勢価格。

 これは言葉どおり、実際の不動産市場で取引される売買価格のことである。

 その2が、昨日発表された公示地価。

 国土交通省が、発表する土地価格である。

 標準地を定め、毎年3月に公表している。

 一般の不動産取引価格目安や、公共収用される土地の目安となる価格である。
 おおよそ実勢価格の90%程度であるといわれている。

 その3が、路線価。

 国税庁が発表する土地価格で、相続税や贈与税の計算の際に利用する価格を指しす。

 これは実勢価格の70~80%・公示地価の80%を目安としている。

 その4が、固定資産税評価額。
 市区町村が、発表する土地価格。

 固定資産税や都市計画税の計算の際に利用される価格。
 
 実勢価格の60~70%・公示地価の70%目安とされている。

 これにもう一つ、都道府県が発表する基準地価というものもある。

 これは、公示地価に近い意味合いを持つ。
 
 都道府県が、公示地価の基準点と違った基準点を設定して発表する。

 基準地価を加えると、1物5価ということなる。

 バブル崩壊以後下がり続けていた公示地価の住宅地の価格が9年ぶりの上昇に転じたのだそうだ。

 しかし、地方の田舎町の当地(宮崎県の北端の街・延岡市)では、地価上昇は無縁な話しだ。

 実感としては、土地の価格が上昇傾向にあるとは感じられない。

 むしろ、少し下がっているように感じる。

 全国的に見ても、上昇しているのは3大都市周辺及び政令地方都市である。

 大都会の地価の高いところの地価の上昇が、全国の平均値を引き上げている。

 大都会の地価は1㎡当り数百万円とか数千万円。

 地方の都市では、1㎡当り、3万円、5万円というところか少なくない。

 日本全体を見渡すと、大都会の土地が値上がりし、地方都市の土地はあいかわらず値下がりしている。

 地価の安い地方都市の土地が、10%値下がりしても1㎡当りにすると数千円程度でしかない。

 一方の、例えば銀座のような土地の1%の上昇は、数十万円になる。

 地方都市の数十地点の値下がりを、大都市1地点の上昇が吸収してしまう。

 9念振りに全国平均で住宅地が値上がりしたといっても、こんな数字のマジックなのだ。

 今の世の中は、あらゆるところで格差社会化が進んでいるが、不動産においても不動産格差が進みつつある。

 全国的には、値上がりした地点より値下がりした地点が宇和待っている。

 最大の不動産富裕地域は3大都市圏。そして政令都市圏。

 地方都市は不動産貧困地域化が進む。

 全体は貧困化する地方都市においても、県庁所在地圏は不動産貧困地域ををまぬがれている。

 市町村にいたっても、これと似た傾向はある。

 環境や利便性のいいところは、値上がりはしないまでも、大きな値下がりは無い。

 しかし、環境や利便性に劣る土地の価格は下がり続けるだろう。

 バブル期のように、大都市圏の地価の上昇にひっぱられて、すべての土地が値上がりすることはない。

 不動産は厳しく選択される時代になっている。

 同じく、不動産業者も厳しく選択される時代だ。

 まったく選択されなくなることの無いように、悪徳不動産屋なりの生き残りのすべを考えなくてはならないなあ。

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