10テレビの功罪

2023年8月13日 (日)

日航ジャンボ機墜落事故から37年

昨日で、日航ジャンボ機墜落事故発生から37年。

御巣鷹山に墜落し、乗客524名。志望者520名。生存者4名。という大事故。

毎年この時期になるとニュースで大きく取り上げれるが、年々取り上げられる時間は少なくなっている。

遺族たちも高齢化が進み、自宅からリモートで慰霊する遺族もみられるという。

今日の朝日新聞天声人語の筆者は、事故後5年目に、取材のために墜落現場で遺族を待ち構えていた、当時の記憶をこんな風に記していた。

【早朝の山に降る雨は、夏とは思えないほど冷く、寒さで体が震えた。諦めて帰るか。もう少しねばるか。山道にひとり、立ち続けた。

 入社半年の新人記者は、事故で家族を失った生存者の女性が人目を避け、ひそかに慰霊に来ると聞いて、待っていた。

 少し雨が弱まったかと思ったときだ。目の前に登山服姿の数人が現れた。

 近づこうとすると「やめろ」。日航社員の男性に阻止され、怒鳴られた。

 「この人はとても悲しい思いをした。なぜ、悲しみを増やすんだ」。怒りに血走った目だった。

 私も必死だった。航空会社こそ、不幸を生んだ元ではないか。悲劇を繰り返さないためにも取材させて欲しい。

 青臭い言葉が出かかったとき、ちらりと女性がこちらを見た。ドンッと、体ごと吹き飛ばされた気がした。何とも言えぬ、苦しみに満ちた目 がそこにあった。

 あれから幾度となく思い出し、いまも自問を続けている。

 お前の取材は、誰かを悲しませていないか、それでもするべき取材なのか、と。】

 

テレビ報道を見るにつけ、拙がいつも思うのはこのことだ。

子供を亡くした遺族にマイクを突きつける。

「今のお気持ちは」

商業ジャーナリズムに浸かってしまうと、子供を亡くした人の気持すらわからなくなるのか。

自分の取材は、「誰かをかなしませていないか、それでもするべき取材なのか」

強く自問を続けて欲しい。

 

 

2023年8月 6日 (日)

ビッグモーターだけ?

ビッグモーターのブラック営業が大炎上している。

しかし、これってビッグモーターだけのことではないでしょう。

大企業はタッグを組んで詐欺まがいの経済活動を繰り広げているのは周知のこと。

痩せない痩せ薬。

ケチャップのシミでも真っ白にする洗剤。

腰痛、ひざ痛、老眼。薬事法スレスレのサプリや特定保健用食品保険機能食品。

テレビの通販では、本日限り。30分以内に限り。限り、限りの、限り祭り。

テレビもそれが嘘とはわかっていても、CMは最大の収入源。

CMの内容の真偽のほどを確認していては話にならない。

ビッグモーターはちょっと行き過ぎた。

今まで最大級のスポンサーで、平身低頭ご機嫌伺をしていテレビを筆頭にしたマスコミが、手のひらを返して攻め立てている。

 

ジャニーズの性加害問題だってそう。

過去に裁判で有罪判決まで出ているのに、マスコミはスルーしてきた。

イギリスのBBCが番組で取り上げて大きく報道しても、日本のマスコミはすぐには追及しなかった。

 

なんだかなあ、である。

 

 

 

2023年8月 3日 (木)

お暑うございます

特に話題がない相手との挨拶には、お天気の話をするのが無難。

今だったら、「暑いですねー!」で決まりだろう。

記録的な猛暑なんだから、「暑いですね」と言っておけばなんとかなる。

 

日本人はお天気好きな人種なんだろうか。

 

このところ、テレビのワイドショーニュースのトップを占めるのは、猛暑だった。

朝のワイドショーの始まりから30分くらい猛暑がらみの報道が延々と流されるということもある。

猛暑、猛暑だけでは視聴者が飽きてしまうから、エルニーニョだの北極の氷河がとけるだの。

世界の各地の大洪水を取り上げたかと思ったら、干ばつで干上がった湖を取り上げる。

異常気象のかき集め。

この数日の主役は台風6号。

ウクライナも、岸政権も、マイナカードも、株価も、円安も、近づく終戦記念日と、いろいろあるけどお天気様にはかなわない。

庶民のレベルで特に話題がない相手との挨拶には、お天気の話をするのが無難なように、テレビの世界も、特に話題がしぼれないときはお天気の話をしておけばなんとなるってことなんだろうなあ。

 

 

2023年1月 5日 (木)

いまさらの箱根駅伝

正月の2日、3日と感動でテレビに引き込まれてしまった箱根駅伝だったが、4日、5日とテレビに出まくっていたのは3位入賞の青山学院の原監督だった。

青学が最終10区で、8位から3位に順位をあげたのは流石だが、今年の箱根駅伝のレースを盛り上げたのは駒澤大学と中央大学。

拙が今年の箱根駅伝でスタート直後からテレビに釘付けになってしまったのは、オープン出場の学生連合、スタート直後からの育英大の新田選手の独走のせいだ。

スタートから飛び出して異常なスピードで独走する新田選手を2位集団の誰も追いかけない。

どうせすぐにつかまると思っているのか、テレビの映像も2位集団を映し出す時間の方が多かった。

しかし新田選手と2位集団の差は開くばかり。

このまま1区を1位で完走させたい、そんな判官びいきの目で応援してしまっていた。

残念ながら残り3㎞くらいで捕まってしまったが、見ている誰もが例年と違う異色の展開にいつもと違う箱根駅伝に目を引かれてしまったことだろう。

この新田選手も今年の箱根駅伝で注目に値する選手。

面白かったのは次の2区。

駒澤大学の田沢選手と中央大学の吉居選手の、ゴール直前からの抜きつ抜かれつの1位争い。

中央大学は拙の母校だとはいうものの、学生時代余り真面目な学生生活をしていなくて母校愛は薄い拙であるが、こんなときは中央大学を応援してしまう。

ゴール間際の2選手の意地の張り合い。

1位と2位が次々に入れ替わる。

そして、最後の100mの吉居選手の吃驚するスパートと、それに負けじと必死になって追いすがろうとする田沢選手の戦いは、箱根駅伝市場に残る名勝負になるに違いない戦いだった。

それから先のレース展開も主役は駒大と中大。

今年の箱根駅伝を盛り上げた立役者は駒大と中大。

さらに駒澤大学は大学3大駅伝3冠王者となった。

おまけに大八木監督は3冠達成を期に、後進に道を譲って監督を引退すると表明している。

それなのに箱根駅伝を取り上げるワイドショーでの主役は青学の原監督。

負けた原因と、来季の構想。さらにはこれから先の箱根駅伝の運営についてまでも持論を展開する。

優勝の駒大の選手と監督はどうなってるんだ。

テレビ局は原監督にしゃべらせた方が番組を作りやすいのだろうが、大学3大駅伝3冠を達成させた選手たちと、それを育てた大八木監督の扱いがあまりにも粗末に思える。

拙は、吉居選手や藤原監督の話ももっと聞きたかったし、中大が藤原監督のもと来年の箱根駅伝100回大会の優勝をめざして練習してきたこと。

その結果が今回の2位という成果をあげ、次回100回大会では優勝するのだという大きな目標をもっと取り上げて欲しかった。

何度も言っていることだが、テレビは視聴率を上げることだけを考えて番組を作っているから、人気のある者を引っ張り出すのは仕方がない。

例えば女子ゴルフなんかでは、やや人気にかける選手が予選1位通過した場合など、やっと予選通過した渋野日向子の動向に多くの時間を割いて、トップ通過は渋野の報道のつけたしのように名前だけ報じる。

スポーツの報道の場合、勝って涙した選手、負けて涙した選手に、そして優勝チームには最大の敬意をもった報道をしてほしいものだ。

2022年1月20日 (木)

芸(能)人・著名人のコロナ感染報道に意味があるのか

終息したかに思えていた新型コロナ。

デルタ株に代わって登場したオミクロン株のコロナは、感染力は大きいが重症化しないということで安心していた。

ところが想像をはるかに超えた感染拡大に日本中が大騒ぎになっている。

ここにきて、専門家と称される人たちの意見に統一性が無いことが露見している。

従来からの私の持論であるが、医療の専門家、感染症の専門家、薬学・化学の専門家というのはいるのだろうけど、新型コロナは今までに誰も経験したことのない未知のウィルスであって、経験のないウィルスがどう作用するのかウィルスにどう対処すればいいのか正確な回答はないのであって、新型コロナウィルスの専門家というのはなくて、それは今までに経験したことのある既知のウィルスのデータをもとにした予想や創造の世界でしかない。

だから専門家と称される人たちは、今までの経験から類推するととか、推測して、あーではないのかこーではないのかと「思います」という言い訳付きの意見を述べるというのが正直な専門家の態度ではないのか。

ところが、テレビに頻繁に登場する専門家と称される人たちは、推測で申し述べるべき意見を、さも究極の結論のように断じている。

しかしコロナは一向に終息には向かわない。

これは、誰の目にも見えない霊的なものを見えると称して、過去や未来に対して予言めいたことをいうインチキ霊能師やペテン占い師と同じ家業と言えるのではないだろうか。

テレビ的には人心を不安と恐怖に陥れることによって視聴率という飯の種を得ているわけで、感染者数が増えていることだけを競い合って報道することに熱狂している。

そのひとつが芸(能)人・著名人のコロナ感染報道。

芸(能)人・著名人が感染すると、トップニュース並みに大きく報道するが、それにどういう意味があるのか。

太平洋単独横断に挑戦していた人がコロナにかかったといえば大ニュースだろうが、人との接触が多い人気芸(能)人が感染するあたりまえのことで珍しい話ではない。

と前々から思っている、今日の私の出来事でした。

 

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2021年12月17日 (金)

インフルエンザはどうなった

 昨日、マスコミは国民の不安を煽ってメシの種にしているという話しをしたが、インフルエンザ情報がそれだ。

 オリンピックを契機に爆発的な流行があるかもしれないと騒いでいたが、あにはからんや9月10月とコロナの終息の気配。

 コロナで大衆を怖がらせることができなくなりそうになって久しぶりに表舞台に引っ張り出されたのがインフルエンザ。

 コロナ感染対策でインフルエンザが2年間流行していなかった。

 この2年間で日本人が手にしていた集団免疫の効果がなくなっているから、インフルエンザが大流行するという理屈だった。

 10月に拙はぎっくり腰をやって整形外科に通院していたのだが、その病院は整形外科専門であったのにインフルエンザの予防接種の予約電話がひっきりなしに入っているようだった。

 拙の身の回りでも、今までインフルエンザの予防接種をしたことが無かったのに早々にインフルエンザの予防接種をすませた人が何人かいた。

 幸か不幸か、いまだインフルエンザ流行の兆しは無い。

 気が付くと、インフルエンザについての話題なんて一切耳にしない。

 「インフルエンザの流行を心配していましたが、幸いなことにインフルエンザ大流行の心配は無いようです」と、大衆を安心させる報道をしたメディアはいない。

 インフルエンザの話題にほっかむりをきめこんでいたところに登場したのがオミクロン。

 オミクロンの感染者は、まだ、アメリカやヨーロッパでも、デルタ株の感染者数に比べるとはるかに少ない。

 しかも、オミクロン株は重症者が少ないのではないかというデータも発表されていて、デルタ株の感染の方が怖いという状況が本当の話のようなのだが、世界中に行き渡って知られてしまったデルタ株では民衆が怖がらないので、未知のオミクロンでおどかして恐怖を煽っているのだ。

 オミクロンを騒ぐのも結構だが、ネタにしていたインフルエンザがどうなっているのかきちんと報道しろよ!

 

2021年6月 3日 (木)

被害者のプライバシーを晒して、加害者の人権を保護する不条理

 突然、残忍に、命を奪われた女性。

 殺した男。

 殺した男は名前も顔写真すらも報じられない。

 不条理に命を奪われた女性は、名前も職業も晒される。

 女性は風俗嬢。

 殺人の場所はラブホテル。

 ハイエナマスコミが舌なめずりして襲い掛かる。

 ラブホテルは新型コロナの影響で売り上げをダウンしているはず。

 殺人事件でさらなる売り上げダウンになるだろう。

 ホテルも大きな被害者。

 私は殺人者の人権はだんじて認めない。

 人を殺したヤツを更正させるために数千万円もの税金を投入するのであれば、その金を被害者救済にあてるべきだ。

 誰もがそう思っているだろう。

2021年5月27日 (木)

簡単!新型コロナワクチン予約

  今、新型コロナワクチン予約をすませた。

 インターネットで予約したが、いとも簡単、1分足らずで予約完了。

 テレビ報道では、登録のやりかたが難しくて、年寄りにはとても手が負えなくて、子供や孫に予約してもらったという話しばかりが取り上げられていた。

 テレビというのは視聴率を稼ぐために庶民を不安に陥れるのが仕事だから、人心を混乱させる報道しかしない。

 落ち着いてやれば難しくないですよなんて報道は一切やらない。

 予約サイトを開くと、下のような画面が表示される。

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 ここに、郵送で届いている接種券整理番号を打ち込んで、生年月日を仮パスワードとして入力する。

 すると、名前、電話番号の入力を求められる。

 それらの入力が終わると、接種予約可能な病院や施設が表示される。

 その中から希望の病院にチェックを入れると、摂取可能日が表示さる。

 希望日と希望時間を指定すると、予約完了となる。

 日頃、反体制派で行政に批判的な私ではあるが、マスコミ報道で見聞きしていたのとはまったく違っていて、簡易でわかりやすい予約システムになっている。

 当地(宮崎県の北端の町・延岡市)では、たっぷり予約の枠が残っている。(30分ほど前までは)

 日常でインターネットを利用している人はインターネットが簡単でおすすめ。

 ラインを使っている人はラインからも簡単に予約できるようです。

 電話は試していないけど、人手をつかうからどうしても混雑してしまって、すぐにはつながらないかもしれない。

 でも、あわてなくても必ず摂取できるのだから、電話の場合は少し落ち着いたころに電話してみるといいかもしれないですね。

 ともあれ、テレビでおどかしているほど予約は難しくないということをお知らせしたいと思います。

 

 

 

2021年3月12日 (金)

テレ朝311 REC from311

 東日本大震災10年を迎えた昨日、テレビ朝日の夜のニュース「報道ステーション」が一番丁寧に震災特集番組を組んでいたように感じた。

 この番組で、「テレ朝311」の検索で見ることのできる動画の存在を知った。

 震災直後から同じ場所、同じアングルで定点撮影し続け、被災地10年間の風景の移り変わりを動画で紹介している。

 福島第一原発の周辺地域は震災直後の映像はない。

 放射線の影響で立ち入りができなかったせいだろう。

 復旧は確実に進んできているが、空き地がめだつ。

 映像で見る限り元の生活に戻れている人がどれほどいるのだろうか。

 定点観測地点の数は100か所にものぼる。

 テレビのニュースで切り取られた部分を見るより、復旧の現状がよくわかる。

 「テレビの功罪」というカテゴリーにおいて珍しい、「功」である。

 

 

 

 

 。

 

2021年3月 5日 (金)

またしても児童相談所が、聞こえないふり、見えないふり。

 5歳男児を餓死させたとして母親と知人女性が逮捕された事件で、母親の碇利恵容疑者の親族が、男児が死亡する約1カ月前から福岡児童相談所に男児らを引き取りたいと複数回相談していたことが判明した。

 親族は一か月前に児童相談所に安否確認を要請もしていた。

 児童相談所は、約一か月前に最後の面談をしているが、「元気な様子で差し迫った危険はないと判断した」として、その後の面談はしていない。

 小さな子供を死なせてしまったという反省や後悔はないのか。

 児童相談所が正面切って「聞こえない」「見えない」ふりをして記者会見に臨んでいる姿を何度見たことか。

 テレビも、視聴率が取れることだけしか考えていないから、本気で同じ過ちを繰り返させないという姿勢が見えない。

 私は、幼児虐殺事件報道を見るたびに、いたたまれない気持ちになる。

 幼児は、どんなに虐げられても、どんなにいたぶられようと、親に可愛がられよう、親に好かれようと、親にすがりついたはずだ。

 なぜ自分がしかられるのか、しかられるのは自分が悪いのだと思い、親に気に入られようと精一杯の努力を尽くしたはずだ。

 そんな子供の気持ちを思うと、私は涙を禁じ得ない。

 死なせずにできたはずの事件が多すぎる。

 幼児虐待事件については、疑わしきは罰するという法改正を急ぐべきだ。

 

 テレビ=マスコミも、もっと毅然とした姿勢で虐殺を防ぐために世論を盛り上げることをもっと真剣に考えよ。

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